「つみたてNISA(積立NISA)」の対象となる投資信託が100本以上もあるなか、「どれを選べばよいのかわからない……」「おすすめ商品はないの?」と悩む人は多いはず。そこで、たあんと編集部では、人気ファイナンシャルプランナー(FP)に直談判。「私ならこれを選ぶ!」というおすすめ投資信託を紹介してもらいました。
第一回目の今回、ご執筆いただいたのはファイナンシャルプランナーの飯田道子さん。海外のマネー事情に詳しい人気FPがおすすめする、つみたてNISA(積立NISA)商品とは?
※2024年からの「新NISA」をどこで始めるべきかお悩みの方は、【2023年】新NISAおすすめ口座5選【証券会社・銀行を比較】もあわせてご覧ください。
おすすめは「バランス型」と「米国株式型」の割合を70:30に
つみたてNISA(積立NISA)の対象商品のなかから、私は「世界経済インデックスファンド」(三井住友トラスト・アセットマネジメント)と、「iFree S&P500インデックス」(大和証券投資信託委託)の2本をおすすめします。
実は「世界経済インデックスファンド」だけでもバランスよく投資できるのですが、私としてはもっと積極的に運用したいと考えているので、米国株に投資する「iFree S&P500インデックス」も選びました。
もし月3万円で積立投資をするなら、「世界経済インデックスファンド」に70%(2万1000円)、「iFree S&P500インデックス」に30%(9000円)の割合で配分します。
100本以上あるつみたてNISA対象商品のなかから、なぜこの2本を選び、この積立額の配分にしたのか、その理由をこれからご説明しましょう。
地域別のGDP(国内総生産)比率を参考に世界に幅広く投資する「世界経済インデックスファンド」
つみたてNISA(積立NISA)おすすめ商品のひとつ「世界経済インデックスファンド」は、その名のとおり、「世界」に幅広く投資するバランス型の投資信託です。
「国内の債券」「国内の株式」「先進国の債券」「先進国の株式」「新興国の債券」「新興国の株式」という、6つの資産に分散して投資をしています。株式と債券の基本的な組み入れ比率は、原則として株式50%:債券50%と半分ずつで設定されています。
「世界経済インデックスファンド」の大きな特徴は、地域別のGDP(国内総生産)を参考に基本的な組み入れ比率を決めている点。組み入れ比率は年に1回、運用会社が見直しを行ってくれます。これで成長性が見込める国・地域への自動的な投資を可能としてくれます。
気になるコストですが、つみたてNISAを使って買う場合、購入手数料はかかりませんし、投資信託の保有中にかかる信託報酬(運用管理費用)は、年率0.54%(税込)と低めに設定されています。
投資信託の規模を示す純資産総額は532億円(2017年11月13日時点)もあります。これなら安定的な運用ができる十分な額があるといっていいでしょう。
信頼の置ける米国の株式指数S&P500に連動する「iFree S&P500インデックス」
もうひとつのつみたてNISA(積立NISA)おすすめ商品は、「iFree S&P500インデックス」です。2017年8月31日に設定した新しい投資信託ですが、2017年11月13日時点の純資産総額は22億円を超えており、注目度の高さがうかがえます。
「S&P500」とは、アメリカの投資情報会社スタンダード・アンド・プアーズ社(S&P社)がニューヨーク証券取引所、NASDAQ(ナスダック/全米証券業協会(NASD)が開設した店頭株式市場)に上場している代表的な500銘柄から算出して導き出された株価指数のこと。世界中の投資家から信頼を集めている指数のひとつです。
「iFree S&P500インデックス」は、そのS&P500に連動させる運用を目指す、米国株式型の投資信託です。米国は最も情報を得やすい身近な外国でもあり、言うまでもなく世界最大の経済大国です。外国株式に投資したいなら、まずは米国を検討してみるのがよいと思います。
コストについては、つみたてNISAを使って買う場合、購入手数料はかかりませんし、信託報酬も年率0.243%(税込)と非常に低い水準にあります。
というわけで、私としては、世界中の資産にバランスよく投資することをメインにしたいので、つみたてNISAの積立額の70%を「世界経済インデックスファンド」に、さらに米国株に投資して背伸びしたいので、積立額の30%を「iFree S&P500インデックス」に投資します。
つみたてNISAでも「卵は一つのカゴに盛るな」がおすすめ
積立投資を行う上で大事にしたいのは、「分散投資」だと考えています。
「卵は一つのカゴに盛るな」という投資の格言があります。割れやすい卵を一つのカゴにすべて盛っていた場合、もしそのカゴを落としてしまった時はすべての卵が割れてしまいます。複数のカゴに分けて盛っておけば、一つのカゴに万一のことがあっても、別のカゴが大丈夫であれば安心、というわけです。
投資する時にも同じことがいえます。一つの資産のみに資金を集中して投資すると、資産が大暴落してしまったときの損害は大きくなりますが、複数の資産に投資しておけば、一つの資産がダメになっても、他の資産が大丈夫であれば最悪の事態は免れます。
つみたてNISAの投資信託を選ぶ時も、違うタイプの投資信託を複数選ぶことをおすすめします。
今回、取り上げた2本の投資信託すべてを取り扱っている金融機関は以下のとおりです。
つみたてNISAは金融機関ごとに取り扱う商品が異なります。金融機関選びを間違えると、これらの商品が買えなくなるので注意しましょう。詳しくはこちらをご覧ください。
※投資にはリスクを伴います。投資に関する最終的な判断はご自身の責任でお願いいたします。
今回、執筆いただいたのは
ファイナンシャルプランナー・飯田道子さん
ファイナンシャル・プランナー(CFP)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、二種外務員資格、宅地建物取引士試験合格者、2級福祉住環境コーディネーター、他
金融機関勤務を経て、1996年にFP資格を取得。現在は各種相談業務やセミナー講師、執筆活動などをおこなう。どの金融機関にも属さない独立系FP。海外移住にも対応しており、特にカナダや韓国の移住や金融・保険情報を得意としている。
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