
災害や疫病など、「想定外」のことが珍しくない時代に。お金に関しても、「仕事を地道に頑張っていればなんとかなる」わけではなく、お金についてしっかり考える必要があります。でも、具体的にいったい何を、どうすればいいのか? お金のことを冷静に考えるのはなかなか難しいもの。
本書では、2時間で将来の計画を立てて、それを目標にお金を増やすことを目指し、家計についての考え方を中心に、投資についても具体的に解説しています。この1冊で、お金の知識と計画がどちらも手に入ります。
先行き不透明な時代を生き抜くためには「お金の知識」と「マネープラン」が必要
読者のみなさんもご存知のように、ここのところ、大きな出来事が続いています。毎年のように起こる地震や豪雨などの自然災害・異常気象、そして2020年から始まった新型コロナウイルスの世界的蔓延……世界経済も私たちの生活も大打撃を受けています。
このような先行き不透明な状況もあって、これまで以上にお金と真剣に向きあう人が増えています。これをご覧のあなたも、「時代を言い訳にしてお金で苦労するのはイヤだ」「自分の人生を思いきり謳歌したい」とお考えではないでしょうか。筆者も同じです。
そのために必要なのがお金の知識と計画です。

筆者はファイナンシャルプランナーとして多くの方の家計の相談に乗ったり、各地で講演をしたりしていますが、自分の人生を謳歌している方は共通して、お金と付き合うことが上手です。お金の知識とマネープランがあれば、病気やケガ、リストラなど、人生のアクシデントが襲ってきたときでも、スムーズに乗り越えられる可能性が高いでしょう。
本書を読めばたった2時間で自分だけのマネープランが立てられる
こんなことを書くと、「貯蓄もほとんどできないし、家計簿をつけるなんて無理だし、お金のことは苦手だからダメかも……」と思ってしまう方もいるかもしれません。
でも、大丈夫です!
なぜなら、お金のことが大の苦手だった共著者の高山一恵も、ご相談や講演にお越しいただいた多くのお客様も、お金と向き合い、知識を身につけ、使いどころ・貯めどころを理解し、お金の増やし方が上手になったことで、順調に資産は増えているからです。
本書には、そのための具体的な方法を詳しく書きました。ポイントは、「自分だけのマネープランを立てる」ことです。難しそうに感じるかもしれませんが、じつは2時間でできます。本書を読み進めていけば、最後にはオリジナルのプランが完成しているはずです。そして、そのためのノウハウも吸収できます。

年収が低くてもお金が貯まる人、年収が高くても貯まらない人
最初にすることは共通しています。まず、この先の人生でどのくらいのお金が必要かを計算します。次に、これからいくらお金を貯められるのかを検討します。そして、必要なお金が用意できない場合、具体的にどうやって貯めるかを考えます。そうして、自分のマネープランを組み立てれば、将来への不安も消えると確信しています。
とはいえ、漠然と「収入が高くないとお金なんか貯まらない」と思っている人も多いでしょう。
でも実際は違います。年収が低くても貯めている人はいますし、一方で年収が高くてもお貯められない人はいます。
「手取り収入や年収はわかるけど、支出は怪しい、使途不明金が多い…」という場合は要注意です。なぜなら、お金が貯まっている人は、収入ではなく「支出」に意識を向けているからです。
手取り25万円、30万円、35万円の理想の支出割合は?
さて、今回は特別に、本書でも取り上げているのですが、「手取り25万円、30万円、35万円の理想の支出割合」について紹介します。理想の支出割合の目安は以下の通りです。
費目 | 理想の支出割合 | 手取り25万円 | 手取り30万円 | 手取り35万円 |
---|---|---|---|---|
家賃 | 20〜30% | 6.8万円 | 8.1万円 | 9.5万円 |
保険料 | 3〜5% | 1.0万円 | 1.2万円 | 1.4万円 |
通信・光熱費 | 7〜9% | 2.1万円 | 2.6万円 | 3.0万円 |
食費 | 10〜15% | 3.4万円 | 4.1万円 | 4.7万円 |
交際費 | 7〜10% | 2.1万円 | 2.6万円 | 3.0万円 |
被服費 | 5〜7% | 1.5万円 | 1.8万円 | 2.1万円 |
教育費 | 10% | 2.5万円 | 3.0万円 | 3.5万円 |
雑費 | 3〜5% | 1.0万円 | 1.2万円 | 1.4万円 |
貯蓄 | 15〜20% | 4.6万円 | 5.6万円 | 6.5万円 |
たとえば、家賃なら収入の20〜30%に収めるのが理想、という見方です。
もちろん、家族の人数や住む地域などによっても変わります。ほんの少し目安からずれているから絶対にダメ、というわけではありません。そこは実情に合わせて加減していただいて結構です。
ただ、大切なのは、毎月15〜20%の貯蓄を確保することです。毎月の貯蓄ができない状態では、当然ながらお金は貯まっていきません。ですので、ひとつひとつの費目を見直して、いくらまでに抑えるべきなのか、予算を立てていくことが必要です。
理想の支出の目安よりも大きく使い込んでいる費目があったら、そこは削減のポイント。いくらに抑えれば理想に近づけるのかを計算しましょう。
お金を貯めやすい「3つの貯め時」
お金を貯めるにあたって、覚えておくと便利なのが「人生にはお金の貯め時」があるということです。
就職して社会人になってから老後を迎えるまで、人生の大まかなライフイベントを俯瞰すると、お金の貯め時が3つあります。この時期にどのくらい貯められるか、どう貯めるかで、その後の人生が厳しいものになるか、豊かなものになるかに分かれます。

お金の貯め時①就職から結婚まで
最初の貯め時は、就職してから結婚するまでの独身の期間です。就職したての頃は確かにまだ収入も少ないのですが、支出もまだ少ない時期です。特に、実家暮らしの人は家賃や食費などの負担も少なくて済みますので、大きな金額を貯める時期です。多少は家にお金を入れるとしても、残りはきちんと貯めておくと、後が楽になります。
お金の貯め時②結婚から子どもが大学生の時期まで(中学から私立の場合は小学校6年生まで)
次の貯め時は、結婚から子どもが大学生の時期までです。結婚して多少支出が増えても、夫婦とも働いていれば収入は多くなるため問題ありません。また、子どもが生まれても、大学生の時期までは毎月のやりくりで教育費を負担できることが多いため、比較的貯めやすいといえます。ただし、子どもを中学受験させたり、中学から大学まで私立に通わせたりするなどの事情があれば、お金も相応にかかりますので、貯め時はその分短くなります。
お金の貯め時③子どもの大学卒業から退職まで
最後の貯め時は①②よりすこし先の時期、子どもが大学を卒業してから退職するまでです。子どもの教育費の負担がなくなり、その分を貯められるようになります。そこから定年までの間、老後資金作りのラストスパートができます。
逆に、子どもが高校・大学に進学する時期や、定年退職後の時期は、お金の「使い時」といえます。使い時にお金が貯まらないのは仕方ないので、貯め時にきちんと貯められるような仕組みを作っておくことが大切です。
『著者が語る「本のツボ」』は、投資未経験者・投資経験者にとって有益な書籍を紹介する事で、皆様の投資ライフが充実したものとなる事を目的としたコーナーです。