お金のこと、ちゃんと勉強したことありますか?

みなさんは学生時代、あるいは社会人になってから「お金」について、誰かに教えてもらったことがありますか?
恐らくほとんどの人はそういう経験はないでしょう。何となく保険に入ったり、会社の社員持株会に入ったり、最近ではNISAやiDeCoといった制度が金融機関などでPRされるままに利用している、といったケースが多いのではないかと思います。
もちろん、今までそれで特に何の不自由もなかったわけですから、いまさら改めて考える必要はないと思っている人も多いでしょう。ところがお金の本質とかお金の常識を知らないままでいると、気が付かないうちに大きな損をしてしまっているということがよくあるのです。
但し、損をすると言っても、株式投資で値下がりしたとか、競馬で負けたという類の損ではありません。正しい考え方でお金を取り扱っていれば、もっと増えたのに! ということは結構多いのです。
あるいは、目立たないので分かりにくいけれど、無駄なお金を使わせられたことで、本来ならもっとお金を貯めることができたのに、そうはなっていないというケースもたくさんあります。気がついていない分、よけいにその損が大きくなってしまっているのです。
何よりも大切なことは“自分の頭で考えること”

本書はそんな「お金の常識」を知らない若い人たちにぜひ読んで欲しいとおもって私が書いた本です。
全体の構成は4つの章から成っています。(1)はじめの章、(2)ふやす章、(3)そなえる章、そして(4)つかう章です。
この本は利殖のためのものでも投資で儲けるノウハウを書いた本でもありません。お金に関して基本的な原理原則を知ってもらうことで、「自分の頭で考えてもらう」ことができるようにするための本なのです。
私は証券会社で40年近く仕事をしてきましたが、とんでもない、驚くようなお金持ちの人たちをたくさん見てきました。そういう人たちが資産を作った方法は様々ですが、いずれの人たちにも共通するのは、お金に関して「自分の頭で考えてきた」ということです。
人に「何か儲かるものはないか?」と訊いたり、人から勧められるまま、よく考えもせずに投資したり保険に入ったりした人は一人もいません。みんな自分で考えに考え抜いてリスクをとって判断してきた人ばかりです。
今さら人に聞けない素朴な疑問
もちろんそれほど大げさなことをしなくても、自分で考えるクセをつけることは簡単にできます。
本書ではそんな知恵、そして考え方のプロセスを学んでいけるようになっています。通常の本のように著者が語るだけではなく、著者の話したことに対して若い人たちの代表、「マユミ」と「ケンジ」の二人が私に誰もが感じているであろう素朴な疑問を投げかけてきます。そんなやりとりの中でお金の本質やお金の常識が次第に明らかになってきます。実は、このやりとりがかなり面白いのです。
- 節約はしてはいけない!
- ポイントカードはあまり意味がない
- 自分への投資は役に立たない

どうですか? 普通の常識とは異なることがたくさん出てきますね。そんな驚きの新常識にマユミとケンジの二人が驚き、質問をしながら次第に本質がわかっていく。言わば今さら人には聞けない素朴な疑問を彼ら二人が代わってぶつけてくれるという進行になっています。
お金は貯めたり、増やしたりすることも大切ですが、同時に、いや場合によってはそれ以上に使うことも大切です。そもそもお金の最終目的は使うことにあるからです。そのためにはお金の本質、そしてお金の持つ役割というベーシックなことをきちんと理解することが大切です。それによって、人に頼ることなく、お金に関するさまざまな判断を自分の頭でできることができるようになります。
世の中にたくさんあるマネー本や資産形成本とは一味違った「お金の常識」を身につけるための本、ぜひ手にとって見てください。
『著者が語る「本のツボ」』は、投資未経験者・投資経験者にとって有益な書籍を紹介する事で、皆様の投資ライフが充実したものとなる事を目的としたコーナーです。