
今や資産形成の主役とも言える「投資信託」。でも個人で購入できる投資信託は約6000本もあり、選ぶのが大変。残念なことにその 6000本のうち多くが、じつは「売る側にとって都合のよい金融商品」だったりするのです。本書を読めば、得か?損か?二択式で投資力がしっかり身につきます! 初心者にも経験者にも役立つ極意本。いま狙うべき特選の投資信託7本も紹介しています。
「投資信託」は資産形成の主役となりつつある

資産形成をする際に利用する非課税制度といえば、「NISA」「つみたてNISA」「iDeCo(イデコ、個人型確定拠出年金)」などがあります。これらの制度を利用すると、運用益に対する約20%の税金がかからないので、効率的な資産形成ができるという利点があります。
たあんとをご覧の読者は、既にこういった制度を利用されている方が多いとは思いますが、その際に活用する金融商品といえば「投資信託」です。投資信託は多くの方の資産形成の主役となりつつあるのです。
「投資信託って何?」という方のために説明しておくと、金融機関が投資家からお金を少しずつ集めてひとまとまりにし、そのまとまったお金を専門家である運用担当者(ファンドマネジャー)が運用する金融商品のことです。カンタンに言えば、株や債券などが入った詰め合わせです。お菓子で言えばバラエティパックをイメージしてみてください。
投資信託の一つひとつがポートフォリオ(資産の組み合わせ)の役割を果たしていて、自分で株や債券の分散投資を行わなくてよいので、便利な商品です。また、投資金額も100円と少額から、自動で積立することが可能で、仕事に家事にと忙しい日常を送っている方でも、あるいは面倒くさがりでズボラな方でも始めやすい商品といえます。
資産を増やせる投資信託を選ぶ「選択眼」を身につけることが大事
ただし、難点なのが、個人で購入できる投資信託は、現在約6000本もあるということ。さらに残念なことに、その6000本の多くが、じつは「売る側にとって都合のよい金融商品」だということです。便利な商品ではあるのに、投資信託の多くが、私たちにとっては損をしかねない商品ばかりということなのです。正しいマネーの知識がなければ、本当に資産を増やせる投資信託を選ぶのは至難のワザと言えます。

そこで、多くの方に投資信託を選ぶ「選択眼」を身につけてもらいたいと願い、書き上げた本が「投資信託 勝ちたいならこの7本!」です。
「投資信託、選ぶならどっちが得か?」という視点で、投資信託で増やす極意をもったいぶらずにお伝えしています。クエスチョンに対して、アンサーを簡潔にまとめ、その後に補足説明をするという形式の本です。最後には、私なりに絞りに絞った投資信託の厳選7本についてもご紹介しています。
【問題】バランスファンドの「4資産型」と「8資産型」、どっちを選べばよい?
さて、今回は特別に、本書でも紹介しているのですが、私の講演や相談の場で特に多い質問に対してのアンサーをご紹介します。
「バランスファンドの『4資産型』と『8資産型』、どっちを選べばよいですか?」

バランスファンドとは、その名の通り、さまざまな「資産」や「地域」に分散投資をしているファンドです。
分散投資の考え方は、大きく値下がりすることなく安定的にリターンを得るということです。そのためには、さまざまな資産や地域で組み合わせて分散投資する必要がありますが、あれこれ組み合わせるのが面倒だったり、配分比率に迷ったりした場合に便利なのがバランスファンドというわけです。
バランスファンドは、運用資産の中で自動的に配分調整をしてくれますので、自分で配分を考える必要がありませんし、リバランス(市場環境により配分比率が変わったときに元の配分比率に戻すこと)も自動的にやってくれます。
本題に戻りますが、そんなバランスファンドには「4資産均等型」だったり、「8資産均等型」だったり、そもそも均等でないものもあったりと、多くの種類があるわけです。
結論から言いますと、「バランスファンドの『4資産型』と『8資産型』、どっちを選べばよいですか?」のアンサーは、リスクを抑えたいなら「4資産型」、リスクをとってリターンを狙うなら「8資産型」がよいと思います。

ポイントになるのは、資産全体の中でリスク(値動きの幅)が大きい資産がどれくらいの配分を占めるかです。
実際の商品を例に見てみましょう。
「<購入・換金手数料なし>ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型)」は、国内株式、外国株式、国内債券、外国債券の4資産に25 %ずつ均等に配分しているバランスファンドです。株式と債券の配分は50%ずつ、国内と国外の配分は50%ずつです。
「eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)」は、国内株式、国内債券、先進国株式、先進国債券、新興国株式、新興国債券、国内REIT、海外REITの8資産に12.5%ずつ均等に配分しているバランスファンドです。
株式の配分比率が多いファンドの場合、リターンが期待できる分、リスクも大きくなります。また、REITは株式よりはリスクは小さい傾向がありますが、値動きが大きくなることもあります。したがって、株式とREITの配分比率が大きいほど、リスクが高くなります。
また、国別で見ても、国外の中に新興国が含まれるどうかによってもリスクの大きさが違い、新興国の資産が含まれるほうがリスクは高めになります。
以上を踏まえると、リスクを低くしながら安定的に運用したい人は4資産型、リスクをとっても高いリターンを狙いたい人は8資産型を選ぶとよいでしょう。
『著者が語る「本のツボ」』は、投資未経験者・投資経験者にとって有益な書籍を紹介する事で、皆様の投資ライフが充実したものとなる事を目的としたコーナーです。
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