リタイア後の生活には年金だけでは足りない! ということはわかっていても、「年金でいくらもらえるのか、そういえば知らないな……」という人、けっこう多いのではないでしょうか。「ねんきんネット」に登録すれば、年金の情報がいつでも確認できるんです。便利なねんきんネットの登録方法と活用ポイントをご紹介します。
何が必要?「ねんきんネット」に登録するには
ねんきんネットの登録には、「基礎年金番号」が必要となります。基礎年金番号は、年金手帳※1に記載されています。その他、以下のような書類からも確認できます。
- 基礎年金番号通知書
- 国民年金保険料の口座振替額通知書
- 国民年金保険料の納付書、領収書
- 平成28年度「ねんきん定期便」※2 など
※1 オレンジ色の手帳の場合、番号が書かれていても、それが「基礎年金番号」ではないケースがありますので注意が必要です。
※2 平成28年度の「ねんきん定期便」(2016(平成28)年4月から2017(平成29)年3月に届いたもの)にのみ基礎年金番号が記載されています。それ以外の年度のものには記載はありません。
お勤めの方で、年金手帳やこれらの書類が手元にない場合は、職場の総務・人事関連部署に番号が保管されていることが多いので、問い合わせてみましょう。
また、少し時間がかかりますが、毎年誕生月に送付される「ねんきん定期便」を用意して「ねんきん定期便・ねんきんネット等専用ダイヤル(0570-058-555)」に問い合わせると、基礎年金番号が記載された書類を送ってもらえます。
いずれの方法も取れない場合は、実際に年金事務所を訪問し、本人確認を受けたうえで基礎年金番号を教えてもらいましょう。
「ねんきんネット」に登録!アクセスキーがあれば即時利用OK
基礎年金番号が準備できたら、「ねんきんネット(申請用トップページ)」からいよいよ登録です。
登録方法は、基礎年金番号に加えて「アクセスキー」とメールアドレスを使う方法、基礎年金番号のみを使う方法の2通りがあります。

アクセスキーは、ねんきん定期便に記載があります。

有効期限内(発行後3ヶ月)のアクセスキーが手元にある場合は、いくつかの項目を入力すれば、すぐにねんきんネットにログインできるIDが発行されるので、こちらがおすすめです。アクセスキーは、年金事務所に発行依頼をすることもできます。
アクセスキーを使わない場合も、流れはほとんど同じですが、住所等を入力することになります。5営業日後をめどにIDが郵送されてきます。
関連情報:ねんきん定期便(年金定期便)の見方
もらえる年金の予想金額がわかる!「ねんきんネット」でできること
ねんきんネットでは、年金に関する以下のようなさまざまな情報を確認できるようになっています。
- これまでの年金加入記録の確認
- 年金見込み額の試算
- 持ち主不明記録の検索
- ねんきん定期便などの通知書の確認
- 国民年金の追納、後納の確認
- 年金に関する届書の作成
- 年金に関する通知書の再交付申請 など
中でも「年金加入記録」と「年金見込み額」はぜひ確認しておきましょう。
国民年金・厚生年金基金…これまでの加入記録がわかる!「年金記録の一覧表示」
ログイン後、一番上にある「年金記録の一覧表示」タブをクリックすると、これまでの年金加入記録を表示するページに移ることができます。下までスクロールしていくと、加入期間の他、直近の「ねんきん定期便」作成日時点の見込み年金額などが確認できます。
また、中ほどにある「年金記録照会」をクリックすると、さらに詳しい年金記録や加入期間の合計、これまで納めた保険料額などが確認できるページに飛びます。

その後、「厚生年金加入記録」ボタンをクリックすれば、厚生年金の加入期間中の標準報酬月額や厚生年金基金に加入していたかどうかまで、詳しく見ることができます。

今までの記録を洗い直し、間違いがないかチェックしておきましょう。
もらえる年金額の目安がわかる!試算ができる!「年金見込額試算」
先ほどご紹介した「年金記録照会」ページにも、見込み年金額は表示されています。ただこれは、今まで納めた保険料のみで計算した額。そのため、若い人だと少額なこともありますが、心配はご無用。今後納める予定の年金も加味した将来の年金額は「年金見込額試算」ページで試算できます。一番上の「年金見込額試算」タブをクリックし、試算のページに移動しましょう。
試算の方法は「かんたん試算」、「質問形式で試算」、「詳細な条件で試算」の3通りが用意されています。

手っ取り早く将来の年金額をつかむために、「かんたん試算」をクリックしてみましょう。飛んだ先のページで「試算」を押せば、結果が表示されます。

このページにある金額が、現時点での将来受給額(月額)のざっくりとした見込み金額ということになります。3クリックするだけで確認できるので、ぜひ活用してくださいね。
また、今後の職業や収入見込みの変動を反映させ、正確な見込み金額をシミュレーションする場合は、「質問形式で試算」を使用します。画面のように、給与や賞与の額など、最大10パターンまで年金記録を追加し試算できますので、今後の昇給や転職などを反映させた、より実態に近い額をつかむことができます。

さらに、受給年齢の繰り上げや繰り下げ、国民年金の後納制度なども反映させたい場合は「詳細な条件で試算」をしてみましょう。
特に若い人には「どうせあまりもらえないんでしょう?」というイメージが持たれがちな公的年金ですが、老後の収入の柱となるものです。80年とも100年とも言われる長い人生。この「ねんきんネット」を活用して、まずは年金の見込み金額を把握しましょう。見込みの年金額と現在の貯蓄を合わせても、理想の老後にはちょっと足りなさそう……と感じた人は、iDeCo(イデコ/個人型確定拠出年金)などの制度を活用し、老後の資産づくりを始めてみてはいかがでしょうか。今からでも遅くはありませんよ。
ねんきんネット
https://www.nenkin.go.jp/n_net/
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今回、執筆いただいたのは
特定社会保険労務士・綱川揚佐さん
金融機関在籍中に1級ファイナンシャル・プランニング技能士資格を取得、その後建設会社等の勤務を経て、社会保険労務士資格を取得。
現在は社会保険労務士事務所を経営し、個人向けに年金に関するセミナーや年金相談を行うかたわら、法人向けの労務管理や労働・社会保険に関する手続き、相談業務も行っている。
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