第1回は結婚と新生活スタートでのシンプルライフ派のAさん夫妻とプチ贅沢派のBさん夫妻のライフプラン・マネープランニングの違いを、第2回は第一子・第二子誕生とマイホーム購入での違いを比較。両夫妻の貯蓄額に大きな差が出てきました。
今回はイベント5の第一子大学入学から子ども独立までと、イベント6の定年退職から老後までを取り上げます。Aさん夫妻とBさん夫妻の老後はどのようになるのでしょうか?
ライフイベント 6つのステージ
ライフイベント5第一子大学入学(夫50歳 妻48歳)
シンプルライフ派のAさんご夫妻
世帯年収500万円
年収 夫:300万円
年収 妻:200万円
早めに教育費の貯蓄を開始。妻の収入から、5万円を教育費に、5万円を貯蓄。
教育費の貯蓄を早めに開始していたので、児童手当の貯蓄分と合わせて、長女の学費は全て自力で払うことができた。
プチ贅沢派のBさんご夫妻
世帯年収700万円
年収 夫:500万円
年収 妻:200万円
住宅ローンの負担が大きく、妻の収入もほとんど生活費に消えてしまう。
長男は中学から私立へ。中学受験の費用もかさみ、大学入学時に奨学金を借り入れることに。月額5万円4年間で240万円の借り入れに。
公立 | 私立 | |
幼稚園(3年間) | 66万円 | 149万円 |
小学校(6年間) | 193万円 | 921万円 |
中学校(3年間) | 144万円 | 401万円 |
高校(3年間) | 122万円 | 298万円 |
大学 | 290万円 | 433万円 |
合計 | 815万円 | 2202万円 |
出典:
幼稚園~高校/文部科学省 平成26年度「子供の学習費調査」 「学習費総額の状況」学年種別の学習費総額、大学入学料、授業料/文部科学省「公立大学基礎データ」「平成26年度学生納付金調査結果」、大学修学費、課外活動費、通学費/独立行政法人日本学生支援機構 平成26年度「学生生活調査」「学生生活調査結果」から算出、万円未満は切り捨て
ライフイベント5②第二子大学入学(夫52歳 妻50歳)~子ども独立(夫56歳 妻54歳)
シンプルライフ派のAさんご夫妻
世帯年収500万円
年収 夫:300万円
年収 妻:200万円
長男の学費もなんとか自力でまかなうことができ、大学を卒業して社会人に。ここから定年退職まで、貯蓄のラストスパート。
2人の収入からできるだけ老後の備えに回す。
- 貯蓄額1070万円
プチ贅沢派のBさんご夫妻
世帯年収700万円
年収 夫:500万円
年収 妻:200万円
次男は小・中・高・大と全て公立の学校へ通ったものの、大学を1年間休学して海外留学へ。結局奨学金を1年間受けてさらに60万円の借り入れが増える。
- 貯蓄額100万円
子どもが独立したら、退職まで老後の資金を貯め続ける意識を高めましょう。
ライフイベント6定年退職(夫60歳 妻58歳)~老後
シンプルライフ派のAさんご夫妻
世帯年収500万円
年収 夫:300万円
年収 妻:200万円
プチ贅沢派のBさんご夫妻
世帯年収700万円
年収 夫:500万円
年収 妻:200万円
出典:
厚生労働省「就労条件総合調査」(平成25年)、勤続20年以上かつ45歳以上の定年退職者、企業規模1000人以上、退職一時金制度のみ
将来の出費を見据えて、積立貯蓄をすることが大切
いくら収入が高くとも、あればあるだけ使ってしまっては元も子もありません。結婚する時に、大まかなライフプランと必要になる資金をお互い話し合い、その分の貯蓄を天引きで計画的に貯めていくことが大切です。コツコツと積立をして、身の丈の出費で暮らすA夫妻をぜひ見習ってください。ただ、A夫妻、B夫妻とも共働きを続けたことで、老後はダブルで年金を受け取れた点は大きなポイント。両夫婦とも贅沢をしなければ、老後を乗り切れるでしょう。