「本気で家計を変えたいあなたへ ~書き込むお金のワークブック~ <第2版>」のツボ
あなたが60歳になったとき、いくらの貯蓄があれば、安心して老後を迎えられると思いますか?
1000万円? 3000万円? それとも1億円? 安心できる貯蓄額は、老後の生活プランによって一人ひとり異なります。でも、「あなたの理想の老後のためには、毎月○万円の積立が必要です」とは、誰も教えてくれません。

そこで、本書「本気で家計を変えたいあなたへ <第2版>」の登場です。
「書き込むお金のワークブック」というサブタイトルの通り、書き込み式だからこそ、平均論でもない、一般論でもない、「自分の場合」がズバリわかるのです。
老後の年金データって本当?

テレビや雑誌では、よく平均論が登場します。
国が「モデル世帯」とよぶ年金額は、夫婦合計で月額約22万円(平成28年度)です。これは、平均的な賃金で40年間会社員として働いた夫と、40年間一度も働いたことがない専業主婦がモデルですが、あなたの身の回りにモデル世帯に当てはまる人は何人いらっしゃいますか? 最近は、共働きも独身者も増え、離婚の年金分割をした人もいます。平均論があったとしても、それはあくまでもデータのひとつにすぎません。
「わたしの場合はどうなの?」と考えて、自分で答えを出していくしかないのです。
60歳時に必要な老後資金はいくら?
60歳までに必要な老後資金は、自分で計算することができます。ステップは簡単です。

たとえば「再雇用で働いた場合と、働かなかった場合」、「生活費が現状の場合と、プラス5万円の場合」など、具体的な自分の老後を想像してみましょう。
本書のワークシートに沿って記入すると、『60歳までに必要な金額』と『毎月の積立金額』が、カンタンにわかりますよ。
老後資金の貯め方は?

『毎月の積立金額』がわかったら、次は、貯め方です。本書では、今年から門戸が広がったiDeCo(イデコ)こと、個人型確定拠出年金はもちろん、個人事業主等向けの小規模企業共済など、メリット・デメリットと共に、老後資金の準備方法を紹介しています。
iDeCo(イデコ)で注目を浴びる「掛金に対する税金の軽減額」も、所得別の一覧表ですぐに確認できるから、安くなる税金分も毎月積み立てて、さらに効率よく貯めましょう。
お金はトータルで考えよう!

最後に、老後資金の準備で大事なことを2つお伝えします。
ひとつは、「家計を見直す」こと。老後準備に効果的な制度であればあるほど、そのお金は、今の生活には使えません。そこで家計の見直しをして、積み立てるお金をつくり出すのです。
たとえば、「もしも死亡した場合に、社会保険からどんな遺族年金が、いくらもらえるのか?」という知識と、「本当に必要な死亡保険の金額」の計算ができれば、加入している生命保険料が節約できるかもしれません。また、住宅ローンを借りたり、借り換えたりするときも、金利以外に注意する点を知っていると、オトクなプランを立てることができます。本書ではチャートや図表で詳しく説明していますから、ぜひ、確認してみてください。
ふたつ目は、「矛盾」です。iDeCo(イデコ)が税金の節約になることは先ほどお伝えしましたが、納める税金が減るということは、他の制度にも影響を及ぼします。
たとえば、自治体支援で人気がある「ふるさと納税」。iDeCoにより納税額が減ると、ふるさと納税で自己負担が2000円となる寄附目安額も減ります。でもそこに気付かないと、オトクな制度を実践したつもりで、もう一方ではトクしていない……ということが起こりうるのです。
このようなことを避けるためには、その場その場ではない、総合的なお金の知識と視点が必要です。
老後資金をきっかけに、本書「本気で家計を変えたいあなたへ ~書き込むお金のワークブック~ <第2版>」にて、家計や社会保険、税金などをトータルに学び、自分の生き方としっかりと向き合って頂けましたら幸いです。
『著者が語る「本のツボ」』は、投資未経験者・投資経験者にとって有益な書籍を紹介する事で、皆様の投資ライフが充実したものとなる事を目的としたコーナーです。