iDeCo(イデコ)申込書の書き方に特化したマンガ解説本
2017年1月から、iDeCo(イデコ/個人型確定拠出年金)に加入できる対象者が拡大し、現役世代のほとんどが加入できるようになったことに伴い、iDeCoに関する書籍が次々と発売されています。筆者もこれまでにiDeCoに関する書籍を4冊出版しています。
iDeCoは各方面で話題になっているのですが、iDeCo加入者が思ったより伸び悩んでいるのが現状です。書籍もたくさん発売され、各地でiDeCoのセミナーも開催され、ニュースにも取り上げられているのに、どうしてこのような状況になっているのでしょうか。それは、iDeCoに加入するにあたって、「2つの壁」が立ちはだかっているからだと考えています。
1つめは、制度の複雑さ。理解するのにどうしても時間がかかってしまう難点があります。iDeCoはずば抜けた「税制優遇」があるのですが、これを理解するのが少し厄介です。iDeCoは、「掛け金を積み立てる時」「運用中」「受け取り時」の3つの場面で税制優遇があります。
2つめは、制度を理解していざ申し込もうと思っても、申込書が難しいことです。筆者は、講演や相談を通じて女性のお客様と接する機会がたくさんあるのですが、iDeCoの資料を取り寄せはしたものの、申込書のところでつまずいているお客様が多いという事実があります。投資に苦手意識を持っている女性は多く、1つ難しい専門用語が出てくると諦めてしまいがちです。たあんとの読者の方でも、「そうそう」とうなずいてくれる方がいるのではと思います。
iDeCoの申し込みで挫折したお客様の声をまとめてみました。

- 「申し込み完了までのステップがわからない」
- 「申込書類がたくさん送られてきてうんざりした」
- 「申込書類に書いてある専門用語がわからない。基礎年金番号って何ですか?」
- 「私の掛け金の上限額がわからない」
- 「運用商品を選べといわれても選び方がわからない。お勧めはないのですか?」
この2つめの壁を何とかしたいという思いで作ったのが、『マンガでわかるiDeCoのはじめ方 ライバルはイデ子!?』です。iDeCoに関する書籍はこれで5冊目の刊行となりますが、今回はマンガでiDeCo申込書の書き方を丁寧にやさしく解説することを心がけました。
主役は3人の女性。テーマは「自立」

本書は、3人の女性を主役に、ストーリー仕立てで展開しています。女性を主役にしたのは、iDeCo(イデコ)の申し込みで挫折しているのが、男性よりも女性が圧倒的に多いというのがひとつの理由です。女性に共感してもらいながらiDeCoが学べ、申し込みまでスムーズにできるように推敲しました。3人にしているのは、働き方の違いで申込書が異なるので、それに合わせました。
今注目を集めているキーワードに「人生100年時代」というのがあります。2016年の平均寿命は男性80.98歳、女性87.14歳(厚生労働省調べ)です。その10年前の2005年は男性78.56歳、女性85.52歳と、10年あたり2、3年のペースで寿命は伸びています。人が100年生きる時代がすぐそこに来ているのです。
高齢化で問題となるのが「お金」です。公的年金の支給年齢の引き上げや支給額の減額など、私たちの老後のお金を取り巻く環境は年々厳しくなってきています。これからを生き抜くためには、「長く働き続けること」と「自分で年金を作ること」が必要です。100年時代を生き抜くためのキーワードは、「『依存』から『自立』へ」だと私は思っています。
ただ、なんでも一人だけで頑張って生きていくのは厳しいものです。周りに「友人」という大切な財産があるから、人は輝いて人生を楽しめるのだと思います。そんな一生涯付き合える友人の大切さもメッセージとして伝えながらの1冊としました。ストーリーを楽しみながら、学んでもらえれば嬉しいです。
『著者が語る「本のツボ」』は、投資未経験者・投資経験者にとって有益な書籍を紹介する事で、皆様の投資ライフが充実したものとなる事を目的としたコーナーです。