投資信託を選ぶとき、分配金の高さだけに目を奪われていませんか?

  • たあんとnet編集部
  • 投資初心者
投資信託を選ぶとき、分配金の高さだけに目を奪われていませんか?

投資信託には、決算日に分配金が支払われるタイプがあります。なかでも人気があるのは毎月分配型。「年金代わりにもなる」とリタイアメント層を中心に、根強い支持を集めています。しかし、分配金の高さだけで投資信託を選ぶと、思わぬ落とし穴もあるのです。

利回り不足が投資信託の分配金にも影響?

日本の個人投資家が投資することのできる公募投資信託は6060本にのぼります(投資信託協会調べ、投資法人を除いた契約型投信の合計、2016年12月末時点)。

大手のネット証券では2000本以上の商品を取り扱う会社もあり、ラインアップの充実ぶりには目を見張るものがあります。その半面、投資家にとっては「何を選べばいいか迷ってしまう」「売れ筋の人気商品の中から選ぼう」といった向きも少なくないのではないでしょうか。

その時に目にとまりがちなのが分配金実績の高さ。特にいわゆる「毎月分配型」の商品はこれまで高齢者を中心に高い人気を誇ってきました。退職金やこれまでの貯蓄など、ある程度まとまった資金で投資信託を購入し、毎月支払われる分配金を年金の一部に使ってゆとりある生活を送りたい――そんなリタイアメント層のニーズにマッチしたことで、日本では毎月決算型の投資信託が大ヒット商品となりました。

しかしながら、近年のマーケット環境がそうした商品性の投資信託に向かなくなってきたのです。世界中の投資家が少しでも高い利回りを狙える投資対象を求めて、「イールドハンティング(利回り獲得)」に躍起になっています。その背景には、2008年秋に起きたリーマン・ショックを契機に、世界経済がかつてのような高い成長率を維持できなくなっているという事情があります。

日本やEUはマイナス金利政策を導入していて、各国の国債の金利は歴史的低水準に沈んでいます。先進国の中で数少ない「勝ち組」とされてきたアメリカでさえ、株価こそ史上最高値圏にありますが、近年のGDP成長率は+2%台前半の水準にとどまっており、かつてのような高金利・高成長・高インフレは影を潜めてしまっているのです。

また、リーマン・ショック以前に台頭著しかった中国など新興国も、経済の成長スピードが鈍化していることは否めません。つまり、世界中のどこを見渡しても、高い利回りの獲得が期待できる地域や投資対象を探すことが極めて困難な昨今、投資している株式の配当や債券のクーポンだけで、投資信託が高い分配金を出し続けることはますます容易ではなくなってきている環境なのです

さらに日本の投資家にとっては、「為替リスク」という厄介な問題も付きまといます。相対的に高い利回りを求めて外貨建て資産に投資する場合、為替レートが円高(ドル安やユーロ安)に動けば、期待していた利回りの獲得よりも大きなキャピタルロスが生じかねないのです。ならば為替ヘッジを付ければ、今度はヘッジコストという名の「保険料」が発生します。利回り水準の低い資産に投資していた場合など、ともすればヘッジ後の利回りがマイナスになってしまうことにもなりかねません。

資産形成層ならば目先の分配金より複利効果を

資産形成層ならば目先の分配金より複利効果を考えよう

世界的な利回り不足に直面している中、2016年後半には毎月分配型で人気を集めてきたいくつかの投資信託が、分配金の引き下げ(減配)を発表したことがニュースにもなりました。

先述の市場環境を踏まえれば、基準価額を引き下げて無理に分配金を出し続けることが難しくなるのは当然といえるでしょう。さらに長期投資を前提とするならば、目先の分配金の高さに一喜一憂することなく、分配金と基準価額の損益をあわせたトータルリターンで投資信託のパフォーマンスを評価すべきではないでしょうか

しかも、すでに退職金や長年の貯蓄でまとまった資産を持っている方ではなく、これから老後に備えた資産形成をスタートするような若い現役世代の方にとっては、定期的に手元に入ってくる分配金はむしろ不要でしょう。その分配金を再投資に回して超長期で複利効果を狙ったトータルリターン志向の運用を目指したほうが、超長期投資という本来の目的に即した運用に近づくのではないでしょうか。

投資信託を選ぶ際には、基準価額の推移や純資産総額の大きさ、過去の運用実績、信託報酬などもチェックして、自分に合った商品を探すことをおすすめします。

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